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第5部分

る。當初、耍麤gと共に土日の前後各1日、有給休暇を取っていながら、出発日の8日夜になって仕事を理由に有給休暇をキャンセル。土日の2日間しか休んでない。耍麤gの山行きに同行し、彼に危害を加えた可能性は萬分の一も無い。正にお手上げ狀態だ。それでも、深山を疑うのであれば、彼のアリバイを突き崩すしか無い。しかし、どうしたら突き崩せるのか? 俺がまだ気付いてないトリックでもあるのだろうか? 俺は耍麤gの足跡を追って、信州松本へと行く事を決めた。現地へ行けば、今まで見えていなかったものが見えてくるかも知れない。そう思ったからだ。

JR松本駅

10月18日、日曜日、午前10時40分── 。

俺は松本駅に降り立った。松本は長野県中部、所謂(いわゆる)「中信」を代表する中核都市で、嘗て長野が「信濃國(しなののくに)」と呼ばれていた時代には國府が置かれ、信州の中心地として栄えた。市內には�蚧�{とした優美な外観から「烏(からす)城」とも呼ばれる國寶の松本城や、日本最古の小學校の一つで重要文化財に指定されている舊開智學校等、歴史的建築物も多い。又、北アルプス槍ヶ嶽、中央アルプス茶臼山(ちゃうすやま)、三才山(みさやま)峠をそれぞれ水源とする梓川(あずさがわ)、奈良井川(ならいがわ)、女鳥羽川(めとばがわ)と言った清流が市內を流れ、松本は「水の都」とも呼ばれている。ちなみに、松本は平成17年4月1日、梓川、四賀(しが)、奈川(ながわ)、安曇(あずみ)の四村を合併編入。嘗て安曇村であった上高地も、今では「松本市內」だ。

松本駅を降りた俺がまず最初に取りかかったのは、耍麤gが10月8日の晩に泊まった駅前のホテルの割り出しだ。10軒を優に越すホテルを一軒々々當たっていく地道な作業だ。

7軒目、駅から北へ5分ほど歩いた女鳥羽川沿いのホテルに入った俺はフロントを訪ねた。

「いらっしゃいませ」

「すみません。ちょっとお伺いしたい事があるのですが、宜しいでしょうか?」

「はい、何でございましょう?」

俺は松本へ來る前に再度、眨�激摔ⅳ腖{沢の自宅を訪ね、2日前、妻の雪悾��橐姢護皮玀槨盲繕尌鱸理斏悉譴槨盲郡妊預λ{沢と深山が一緒に寫っている寫真を借りてきていた。その寫真をフロント係の男性に見せながら尋(たず)ねた。

「10月8日の晩、こちらに耍麤g俊英さんと言う35才の男性が宿泊されませんでしたか?」

「失禮ですが、お客様はその方とどの様なご関係でしょうか?」

宿泊者の情報は個人情報だから、ホテルもそう簡単に教えてはくれない。

「テレビや新聞でご存じかと思いますが、耍麤gさんは上高地から入山して涸沢嶽沢で滑落死されたんです」

「それはお気の毒に???」

「その耍麤gさんが亡くなられる前の晩に泊まられた北罰Ц噝∥蕒藘Wは勤めておりまして」

「はあ」

「この寫真は耍麤gさんの奧さんからお借りしてきたものなんですが、松本で降りた耍麤gさんが駅前のどのホテルに宿泊されたのか、こうして一軒々々確認して歩いているんです」

「そうでしたか。ご事情は分かりました。奧様からのご依頼と言う事ですね」

「はい、そうなんです」

本當は俺が勝手に眨�伽皮い朧隴勝韋坤�ⅳ長長悉長Υ黏à糠餞�挙�攻喋‘スに進む。

「そう言う